臭い本

臭い本

長い間、恐らく数年、あるいは十数年、本屋の本棚でぼーっと突っ立っていた本というのは臭いものです。こう言っちゃなんですが。独特の香りがあります。それもあまりいい匂いではない、独特の香りが。

今日スターバックスで先日買った本を開いた途端に吐き気で死にそうになりました。その本はジョン・ディクスン・カーターの「剣の八」というミステリーで、まぁ売れなかったんでしょうね、その他のそこまで有名でない海外ミステリー小説と共に本屋に並んでいたのを買ってきたんですが、もう、匂いが。

私の隣には就職活動中と思しき女の子がいて、地味でブラウスとカバンが今一つカジュアルな彼女(それもファッションというよりは、お金の関係で普段着のものを就活に使っているように見えました)は黒パンのサンドウィッチをすごく下手な感じで食べていました。なんか見ているだけでも不器用そうで好感をもたずにはいられなかったんですが、そんな彼女の横で社員証をぶらさげた、恐らく明らかにこの近くで働いているのであろうOLが吐いたりしたら彼女はトラウマを持ってしまいます。スターバックスとこのオフィス街の両方にですよ。そうなると、まぁわが社かどうかはわかりませんが、彼女のためにも日本経済のためにもよくありませんからね。必死でこらえました。

帰ってからはてと悩んでしまいました。臭い洋服は洗えばいい。簡単です。でも臭い本はどうしたらいいんでしょうか。洗ったらインクがにじんで本ではなくなってしまいますし、しかし太陽にさらして匂いを消すだけの時間もないのです。

ふと思いついたのが香水のサンプルです。サンプルとは言わないんですかね。ちょっと名前がわからないのですが、よく新発売の香水なんかが出るとお姉さんが細長い紙にちょこっと香水をしみこませたものを配ってますよね。あれ、時々しおりがわりにするんですが、それをはさんだらどうでしょうか。本自体が悪臭を放っているので紙一枚ではなんともなりません。気に入りの香水をティッシュにしみこませて最初の方、真ん中、後半の三ページにはさみました。ミステリーなので、恐らく殺人発生、推理、解決のあたりにはさまっていることでしょう。これでなんとかなればいいのですけれど。そしてあの就活生にはがんばってほしいものです。

お腹痩せ二の腕痩せ

眠るロボット

目を閉じると昼間の残像が瞼の裏にかびます。残像というか、赤や黄色のふわふわとしたものが、形のない靄みたいなものが目をとじた暗い中にあります。一日の終わりとは騒がしいものですね。私の部屋には時計が四つあります。その内三つは動いているんですが、その三つの針の音が耳についてならないのも一日の最後に目を閉じた時です。

私は寝つきのよくないタイプでして、ですからどれほど疲れた一日であっても、ベッドに入って目を閉じたらはいっとばかりに眠れはしません。のび太君なんかはかなりの短い時間に眠れてましたけどね。嫌味でなくうらやましい限りです。何時間も布団の中で寝返りをくりかえして、耳に残る時計の音を数えなくていいだなんて。便利ですよねぇ。睡眠に悩みがないというのはいいことだと思います。いや、のび太の睡眠に悩みはあるんでしょうか。たとえば寝すぎてしまっていつも遅刻だ、とか。うーん、悩ましい。

私、「ドラえもん」には全然詳しくないんですけど、こうして考えてみると「ドラえもん」のキャラクターでなかなか眠れなくて困っていそうなキャラクターは誰でしょうか。スネ夫だろうか。いや、案外出木杉なんかは神経質な面があるかもしれないし、とそんなに知っているキャラクターがいるわけでもないのに考えていて、いや、そもそもドラえもんはロボットだから眠りたくても眠れないよな、と思い「あれ?」となってしまいました。

ドラえもん、寝てますよね?例の有名な押入れのベッドの中でよく寝てますよね?そしてのび太に起こされながら「なんだよ、のび太君。僕眠いんだ」とか言いながら起きてますよね?あれって一体何なんでしょうか。

まさかパソコンとかみたいな感じでスリープモードってことなんでしょうか。スリープモードから動かした直後ってパソコンとか動きが鈍い時がありますけれど、それと同じなのでしょうか。それともドラえもんというのはまさか睡眠するロボットなのでしょうか。半分機械で、半分はなにかもっと睡眠を必要とするような…?

ホラーですよ。恐ろしい。あまり考えてはいけませんね。きっとどこかにはっきりと納得できるような設定があるのでしょう。しかし、ドラえもんも眠れるのです。私も眠りたい。